相続対策といっても、以下の3つのポイントからバランス良く対策を立て、実践していくことが大切です。

(1)評価額圧縮対策

(2)分割対策

(3)納税資金対策

(1)~(3)それぞれについて、ご説明致します。

(1)評価額圧縮対策
例えば、相続税対策として都心市街地にある土地を購入した場合、土地の相続税評価額は、路線価方式により評価されます。

路線価方式=路線価 × 敷地面積 を土地の位置や形状により補正した額

路線価方式による土地の相続税評価額は、通常、都心市街地の土地の実勢価格より低く評価されます。地価の高いところでは、路線価の2~3倍以上の実勢価格で土地の取引が行われる場合があります。

路線価の1.25倍の実勢価格で取引が行われている住宅地では、80%で相続税評価がされます。(各種補正がない場合)
すなわち、上記の住宅地の例であれば、現金5,000万円で土地を購入した場合、現金をそのまま保有していた場合と比較して、1,000万円の評価額圧縮対策を実施したことになります。

現金(①) 土地(②) 評価額圧縮額(①-②)
評価額 5,000万円 4,000万円 1,000万円

 

いわゆる、これが一般的に言われている「相続税対策」の場合が多いです。

これ以外にも、お墓や仏具などの祭祀財産(さいしざいさん)は相続税がかからないため、生前に購入しておくことも、評価額圧縮対策となります。

 

(2)分割対策

こちらは、例えば相続人が妻及び子供2名(長男、長女)の場合を考えます。資産が1棟48戸の築12年のマンションだけであり、配偶者(1/2)、長男(1/4)、長女(1/4)を共有で相続した場合を考えます。

その後マンション賃貸経営を行なっていくにあたり大規模修繕が必要となった場合に、妻、長男、長女で意見が異なることがあります。妻は今後のことを考え、早い時期に大規模修繕を行うべきと考えているが長男、長女は、今は修繕工事費が高いタイミングであるため、まだ様子を見るべきであると考えていたり、長男、長女は、子供の教育資金がかかるタイミングのため、修繕工事をやりたがらない可能性があります。そのような場合、修繕工事ができなくなる可能性もあります。
また、売却のタイミングについても同様に意見が異なる場合があります。長男はすぐにそのマンションを売却し、現金化を希望しているが、妻、長女は売却を行わず、まだ保有を継続したい場合も売却が出来ずトラブルになるケースがあります。

このようなトラブルを避けるために、あらかじめ分割できる資産にしておくことを分割対策と言っています。例えば、上記のケースであれば、例えば20戸のマンション、12戸のマンション、10戸のマンションと現金に分割しておき、妻が20戸のマンションと現金(マンションと現金で全体の1/2相当)、長男が12戸のマンション(マンションで全体の1/4相当)、長女が10戸のマンションと現金(マンションと現金で全体の1/4相当)を相続することにより、妻、長男、長女がそれぞれの判断でマンション経営を行うことができ、上記のようなトラブルを避けることができます。

後の残された方々のトラブルを未然に防ぐことも重要な相続対策です。残された方々の今後幸せを慮り、予め準備しておくことが重要です。

マンションイラスト分割⇒

 

(3)納税資金対策

納税資金対策とは、相続税納税時に不動産等を売却しなくてもよいように納税資金(現金)を準備しておくことです。相続税の納税のために「先祖代々の土地を売らなければならない。」「今住んでいる自宅を売って、住み替えなければならない。」このような事態になり苦しんでいる方のお話をお聞きします。このようなことの無いように事前に十分な対策を講じる必要があります。具体的な対応としては、終身の生命保険を活用したり、稼働している収益不動産を購入し、相続税納税時に手許現金を残すことが挙げられます。

初めに相続税対策の3つのポイントについて記載させていただきましたが、そもそも相続税の仕組み・手続きについても説明致します。

次に相続の手続きについて確認する。
次に法定相続人の範囲について確認する。
次に相続税の申告について確認する。
次に相続税の計算方法について確認する。